第2章 考察と調査
「拐かしにあいました。」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「それ、大事じゃないか!?」
「いえ、でも大丈夫です。強いですから・・・先に行ってもいいと言われましたし・・・。」
のほほんと相変わらず天使の様な笑顔でそう言った子供。
「・・・・・・・・・・その同行者というのは??」
「住んでいる村の薬剤師様です。もともとはこの国の出身らしくそのご縁もあってこの国に来ました。
とても強いので旅先で追剥にも酔っ払いにも絡まれることなかったです。」
「しかし、子供一人となると今日の宿は」 「親切な城下の人が一泊させてくれるので大丈夫です。手紙は明日必ず渡すのでよろしいでしょうか??」
「・・・・・構わないよ」
すると一礼し執務室を後にした。
「何というか・・・」「利発な方だと思ったら、どこか抜けたような・・・」
「・・・・・・ジル、シドに彼について調べてもらえないか?できれば故郷の事も」
「・・・珍しいですね。ハワード卿」
「ルイがシドに自分から頼るなんて・・・どうして?やっぱりアルスが気になるの??」
「それもある・・・けど違う。」
どうしても最初にあった時と話した時の印象が消えない
「じゃあ、なんで」「似ているから・・・。」
仕草も・・・・笑顔も年相応の子供の者だったから気にしなかっただが、
「ゼノ=ジェラルド様に・・・・」
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城下に戻るころには夕方になっていた。
街を歩く子供たちは家に向かって一直線に走っている。
両親に手を引かれて歩く子供
明るくニコニコした顔に思わず笑みが深まる。
街を歩けば夕食の準備をしているのかパンの焼けるいい香り・・・ハーブのスープ
ははさまの作るスープと同じ匂いだ。
「遅くなった・・・・ごめんね」すまなそうな声がしてそちらに顔を向ける。
「ううん、大丈夫。」笑顔を返すと手紙を手渡される優しい綺麗な文字一つはお城に向けて、もう一つは・・・。
同行者に声をかけようとすると口元に人差し指を寄せる。
「私はもう行くよルプス・・。」「うん。母様」
母様と呼ばれた女は手を差し伸べ夕日の方へと歩いていく