第5章 番外編 小さな王様の観察日記
(花屋の場合)
「わーい、」「キャハハハ」「もう、待ってよー。」
「こら、あんた達早くご飯食べちゃいなさい!」
昨日の夜でやつがれに子供達は慣れた様だ。しかし、やつがれは疲れた。ずっと追いかけられて、今朝も吊るし灯の傘の上で寝ていたのにどうやってか、やつがれの目の前にいてジィーとやつがれを見ていた。やつがれは驚いて不覚にも傘の上から落ちた。それすらも子供達は笑うのだ。そして今日もこうしてお守りをしている。
この辺りの子供はみんなこうなのだろうか?
ルプスはとても大人しいのだ。イタズラは勿論、母君に最初でする事もあるが普段からとても落ち着いている。
「ほら、今日はばぁばのトコに行くんでしょ?急いで食べないと母さん先に行っちゃうわよ。」「「「はーい」」」
今日はバァバと言う人の元に行くらしい。ルナ殿の母君だそうだ。注意せねば
「あら、いらっしゃい」「おはようばぁば!」
この優しげに微笑む御仁は誰?ここにはあのルナ殿の母君がいるはずでは、母と言う存在は総じて優しく可憐なのか?ルプスの母君の様に優しく嫋やかだ。
「おっ?随分綺麗な鳥だな」「本当まるで神様の御使みたいね。」細っそりとしていて節くれだった指がやつがれに伸びる。
しかし、やつがれは家族以外に触られる訳には、御仁許されよ。
あぁ、少し残念そうにされるとやつがれ罪悪感が・・・。
仕方ないお詫びにやつがれが花に水をあげよう。ルプスの留守の間畑や花壇の水遣りを手伝っていたのだ。
御礼に甘い果物を差し出してくれたがやつがれ、それは食べれないのです。