第5章 番外編 小さな王様の観察日記
(ソルとその家族の場合)
ようやくご飯にありつけ、やつがれは満足だ。しかし、ルプスは遅いな。何をしてるのだろう。
「あぁ、ここにいたのかレグルス、探したぞ」
真っ黒な髪の雄がフレンドリーに話しかけてきた。やつがれに対して無礼である。
「怒るな怒るな、ジルやルイに言われて来たんだ。お前ウチで預かる事になったから」
なんと!?何故、やつがれがいない間に話を進めるのだ!!
やつがれの鳥権を侵害するな!
「レオのところのセバスチャンから聴いたぞ。お前施しは受けないんだろ?俺ん家なら鼠も沢山いるから狩り放題。お前は飢えない、俺は鼠達が消えて幸せになる。」
むむ、確かにそうだが
「それに、俺の家にいれば、ここより早くルプスに逢えるぞ。」
何、それは良いのだ。早速連れて行くのだ。
「イタタタ、やめろ、現金なやつだな、お前」
奴の名は ソルというらしくルナ殿のアニサマらしい。
「あら、おかえりーって、どうしたのそのコ」
この人はどうやらソルのつがいらしい。
「あら、鼠を取ってくれるの!助かるわー、最近うちの猫ったら全然取ってくれないのよ。お願いできる?」
ふむ、お困りのようだ。やつがれに任せると良い!
鼠はほんの数分で駆逐した。やつがれお腹いっぱい、大満足です。
「母さん、この子何?」「うわぁ綺麗な羽!」「ウチで飼うの?」
おお子供が3人いる。この中ではやつがれが一番アニサマだ。
やつがれの威厳ある姿に興味津々な様子。やつがれ人気者だ。
ここは、一つアニサマとして弟妹達と遊んでやろう。
その日はとても賑やかだったそうです。