第5章 番外編 小さな王様の観察日記
(騎士殿の場合)
むむ、ここの森は栗鼠や小鳥といった動物がとても少ない。これではやつがれは食事が出来ない。
多く取りすぎては森は生きられない。やつがれ達はそれをよく知っている。仕方ない別の場所を探すか。
おぉ あれに見える小さな小屋。アレはおそらく厩だ。
ちょうどいい、あそこに住む御仁達に食べ物のある場所を聞くとしよう。
頼もう、やつがれはレグルスという。やつがれはお腹が空いたのだ。食べ物がある場所を教えてくれ。
『なんだ?この小さな鳥は?』『レオ様のところの鳥にしては見た目が違うな』『食べ物ならレオ様から分けてもらうといい』
むむ、やつがれは家族以外からの施しは受けない。この辺で生き物が沢山いる森はないか
『生き物が沢山いるところなら森より郊外の湖に鴨や渡り鳥があるはずだ。』
そう言ってくれたのはアウラによく似た御仁であった。
かたじけない。ところで御仁、何故アウラ殿とよく似ているのだ?
『アウラを知っているのか!?』
おぉ知り合いであったか。ということはアウラはここに住んでいたということだな通りで詳しい筈だ。やつがれ納得。
『お前、アウラは今どこに!?プリンセスは一緒なのか!?』
アウラ殿なら今こちらに向かっているはず。だが、プリンセスという人は残念ながらやつがれは知らない。
『アウラがプリンセスの傍を離れるわけない!すぐにお前の故郷を教えろ!アラン様をお連れする!」
むぅ、やつがれは本当に知らないのです。どうか落ち着かれよ。御仁。
頭に乗っかり宥めてみるも効果なしどうしたものか
「何を騒いでいる?」『アラン様!このものはアウラの事を知っているらしいのです。このものの住んでいる場所に行けばおそらくプリンセスが見つかるやも・・・』
おぉちょうどいいところに、後の事はこの者に任せよう。やつがれは教えていただいた場所に行かねば。やつがれ、これにてドロン。
『こら、待て!!』「あいつに何かされたのか??あんまり気にするな、ブラッシングしてやるから落ち着け。」