第5章 番外編 小さな王様の観察日記
(お城の人達の場合)
「では、ルプスはもうすぐ帰ってくるのですか?」
「この手紙によれば、あと2、3日すれば帰ってくるらしいけど、未成年一人では宿を借りれない。
治安が良いとはいえ、野宿をさせるわけにはいかないから、シド、迎えに行って」「面倒だが仕方ねぇな」
「まぁ、あの子の場合、宿に泊まれないなら平気で野宿するとは思うけどね。」
「それより、問題はこの鳥の事だ・・。」
やつがれが入った部屋に続々と人が集まってくる。
最初にあった人は『ルイ』というらしい『コクオウ』という仕事をしている。このオシロの主らしい
「変わった、鳥だよね・・・セバスチャンとは違った感じで、ちょっとゼノ様の所の伝書鳥に似てるね」
やつがれの体毛と違う月明りの様な髪の『レオ』が物珍しげにやつがれをみる。
しかし、やつがれは気にしない・・・こうして毛繕いをし平静を装う。
「おそらく、鷲という平原や高山に生息する鳥でしょう。ただ、こんなに白い種は珍しいですね。」
村で作られる葡萄のような綺麗な髪の『ジル』が説明してくれた。なかなかに博識だ。が、何故かやつがれの顔を睨んでいる。
「こいつ、何を食うの??」「肉とか魚だろ、厨房にいってもらってくる。」
『レオ』に似た顔立ちの『アラン』という不思議な格好の男がやつがれを見つめている。その言葉にやつがれより早く反応した黒髪の青目の男がどこかに行く。
「で、こいつ何て名前なんだって?」青みがかった黒髪の『シド』が名を尋ねる。
「レグルスだって」「へぇ~、いい名前してんじゃねーか」
そう言ってこちらに手を差し出したシドの手を
ガブ!!!
「いって!!?」
思いっきり噛む、やつがれは『家族』以外の人間に触られたくないのだ。
「飯貰ってきたぞ~、ってあれ?シドなんで手真っ赤なんだ?新しいファッション。どうでもいいや、ほらほら~肉だぞ~うまいぞ」
こちらに牛のこま切れ肉をブラブラとこれ見よがしに見せるオス。
ガブ、ガブ!!
「あいてっ!!?」
やつがれは他人から餌をもらわない!その上意地悪する時のルプスの顔を見ているようで不快だ!
勝手に狩をして食べるから施しは不要だ!!
やつがれははーどぼいるどなのです!
(なぁ、そうえばこいつどこに置いておく?)(中庭?)