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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第4章 導きの星は誰を照らす


「でも、何だかんだ言うけど、ゼノ様からしてみれば王位とかそんなもの捨ててプリンセスを自分で探したいんじゃないかな。
もう、6年経っちゃったんだよ」
「それが王としての務めだ。あの方は何より王としての責任を重んじていられる。2度と国が荒れる事がない様に」
「うん。だけど、だけどさ、俺だったら絶対に耐えれないよ。無理なのはわかってるけど、ゼノ様の事を思うと、そう言った責務を全部捨てて、好きな人と一生気ままに過ごして欲しいよ。身分の違いとか、周囲の事とか関わらなく」
「それはゼノ様自身、御許しにならないだろう。だからこそ我々がその為に動いているのだ。あの方達がその安穏とした日々を過ごせる様にこの王宮で。今俺たちに出来るのはプリンセスを探し出す事だ。」
重苦しい空気が漂っている。何かしたいとも思うが果たして自分に何が出来るだろう。こんな自分に

「けど、何も収穫なしかぁー、嫌になるよ。何処に居るんだろう。」「あの森の近辺の国は殆ど探した。やはり残るはルプスの出身国」「そうだけど、あの国ってやたらガード固いでしょ?特にうちみたいな軍事大国に対してあんまり良い印象ないんじゃない?」
他国との交流らしい交流なんてほとんどない我が国。軍事国家に対しては一切関わろうとしない。

「それと、やっぱりルプスの母君の事も気になるんだよ。だってそっくりなんだよプリンセスの仕草や顔立ちにこの間の事件の時なんて特に」「父親の事も本人は知らないと言うのも、あいつが祖国で余所者というところでも気にはなるな。年齢も仮にプリンセスとゼノ様の子だとしても繋がる。だからこそ官僚共が動くのだ。」
余所者、そうだ。母はあの国の出身ではない。知り合いも母の過去を知る人も母の名も誰も知らない。だからこそ母に対する誹謗中傷を否定出来ずにいた。けど、もしももしも本当に母がプリンセスだとしたら俺は、一体。
だめだ。知りたくない、考えたくない。今まで死に物狂いで生きてきた。母を守る為、自分が祖国の民である為。
でも、それら全てが消えようとしてる。今までの自分がなかったものの様に
目の前が真っ暗になり壁に手をつく。
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