第4章 導きの星は誰を照らす
「それにしてもアルってば勤勉だよね。こうして終業後も一度は見回りに来て」「騎士として当然のことだ。それで貴様は何をしに俺について来てる」
この二人は本当に仲良しだな。
「俺?俺はちょっと野暮用かな?そろそろ一度風通しの良い場所に置かないとね。ゼノ様には申し訳ないけど。」
「まぁ今は人気もないから、ゼノ様も御許し頂けるだろう。」
「あれ?もしかしてアルもアレを見にいくつもりだったの?」
何の話だろう?あっ!?もしかして七不思議の一つかな?
「そういえば、官僚達、最近は騒がないね。お世継ぎをーとかお妾をって煩わしくなくて良いけど何か怖いよね。」「出方を変えたのだろう。あくまで噂だがルプスを取り込もうとしているそうだ。」「そんな事しないでプリンセスを探せば良いのに、大方養子にして外戚として政治を牛耳ろうとしてるんだろうね。」
この国の王族はとても少ない。外戚もほとんどいないらしいから大変だろうな。まだ自分には関わらない事の筈だ。
「今はまだゼノ様が抑止しているから良いがお前もこのまま行けば王族として祀り上げられる可能性があるぞ。」
「それは大丈夫でしょう?確かに王家の血は引いているけど母は平民の上、元召使い。王家の醜聞とか言って揉み消したんだし。
俺を王族として認識するって事は平民生まれのウィスタリアプリンセスを正式に王家として扱わないといけなくなる。あいつら未だプリンセスが正妃として扱われてるけど妾が子を産んだらプリンセスをお払い箱にしようとか思ってる筈だし。あの厚顔無恥なおっさん達。
あとウィスタリアとの交流に関して後腐れなくとか思ってるだろうけど、たかが専属執事と国民に愛されたプリンセスじゃあ価値が違うでしょ?俺を王に祀り上げてウィスタリアとの交流ぶった切って戦争仕掛けるならわかるけど、ウィスタリアや周辺国の王がゼノ様の退位は認めないだろうし俺もそんなつもり一切ないし。」
今、何かとんでも発言した気がするけど、結構水面下で熾烈な戦いがあったのかと言うくらい辛辣だ。
「まぁ、お前を王族にはしないがお前に貴族の娘を娶らせ、子を成したらその子を王家に迎え入れる。くらいの事はしそうだがな。」
「それこそ、今のゼノ様は認めないでしょ?俺も遠慮するよ。あ!ステラ様の娘とかだったら良いけど」
その時この人いくつになるんだろう?
