第4章 導きの星は誰を照らす
城下町というだけあって、とても賑やかだった。
レグルスも久しぶりの外でどこか嬉しげだ。
「今日はバサーも開かれているからいつもより賑やかだね。」
「ふーん」
お祭りか、何処も同じように騒がしいものだな。
「ッテ!?何だよレグルス。」レグルスがいきなり髪を引っ張って来た。しかも少し興奮してるのか肩に乗せられた鉤爪が痛い。
嘴をある場所に向ける。あ、あそこの店のお肉安い。
「ダメだ。陛下の視察が終わってから買ってやるから我慢しろ。イッタ!?」
悔しげに指を思いっきり噛みやがった。しかし此方も譲る気は無いと示す様に首を振ると噛む力がまた強まる。
「イ゛デデデーーー!?」思わず叫ぶ。
参ったか!?とばかりに此方を見る。
「駄目っつたら駄目。ワガママ言うなよ!本気で怒るぞ」
少し声を荒げるとシュンと項垂れる。そこにユーリがいつ買ったのか牛生肉を差し出す。
「まぁまぁ、視察だけどゆっくりバサーを楽しんでいいよ。俺もそのつもりだし、あっちのお菓子屋さんとかオススメ!はい、アーン」
しかしレグルスは食べようとしない。
「あまり、甘やかすのは良くは無いがな、向こうにはこの国の名物の腸詰が売っているお前も食べるといい」アルバートさんが腸詰を俺に渡し、ユーリの手から生肉を細かくちぎった後差し出すが一切口にしない。
「遠慮せず楽しんでほしい。それに、街中でそれ以上怪我をすれば騒ぎになるだろう。違うものがいいなら買ってくるが?」
「ゼノ様がその様なことする必要ありません。」
「大丈夫です。このお肉で、こいつ俺以外からは殆ど手から食べないので。ほら、ちゃんと皆様にお礼しろよ」
そう言いながら俺が手のひらにお肉を乗せると嬉しげに食べる。こういうとこは可愛いけど、頬ずりしてもっと寄越せとばかりに甘え鳴きしだす。
「お礼が先だろ?すみません、俺にまで」「構わないそれに腸詰はアルの奢りだ礼はアルに」「ありがとうございます。」
「いつもお茶を貰っているからな。」
買ってくれた腸詰は香草が練り込まれてあって香ばしくて美味しい。
「ピュイ、ピュイ」レグルスが甘えだす。
「お前はダメ、これ俺の」