第4章 導きの星は誰を照らす
その後二日間は安静にと言われ、元々、お部屋の掃除などを任されていたフェートさんやレグルスに見張られる二日間が過ぎようやく国王の執務室へと向かった。
「おはようございます。」
扉を開けて声をかけるとアルバートさんユーリ、国王様の3人はすでに来ていた。何故か3人とも少しラフな格好だ・・。
「おはよう、早いな・・・。」
「おはよう!もういいの?」
ユーリと国王様はよく見ると同じ耳飾りを片方ずつつけている・・・でもこうして挨拶をするときの態度は全然違っていて面白い。
ユーリは暇をしているとよく面白い絵本やお菓子を持ってきてくれた。
国王様は夜、遅い時間だが様子を見に来てくれていた。
「症状が無くなったとはいえ無理は禁物だぞ。」
眉をひそめてアルバートさんは注意してくれたが、何だかんだでアルバートさんが一番世話を焼いてくれた。
フェートさんと交代で見張っていた時は、やれ氷だ、薬の時間だ、水は飲めるか、食事は何がいいか。など、騎士様じゃなく執事の様だと言ったら、
ユーリとアルバートさん喧嘩しだして、途中で国王様に仲裁に入って貰った。
「さて、今日の業務だが、業務の前に城下の視察にこれからみんなで向かう」
「え??」
皆という事は自分も入っている訳だ。しかし、視察に何故俺が・・・?
「アルってばかったいなぁ~・・。ルプス、ここに来てから、休養以外でお休み貰ってないでしょ?」
「えぇ、まぁ・・・。」
「だから視察も兼ねてルプスを城下に案内しようって結構前からスケジュールを調整していたんだ。」
「いや、でも・・・」
気持ちは嬉しいが、休暇をもらった際に自分で行こうと考えていたし無用だ。
しかし
「今日が薬がなくなる最後の日だ。念のためルナに診てもらった方がいい。視察のついでになってしまうが構わないだろうか?」
優しくよく通る声で目線を合わせて聞いてくる。
「は、はぁ・・・・」
この人には何故か逆らえなかった。