第4章 導きの星は誰を照らす
朦朧とする意識の中、目を覚ますと見知らぬ天井・・・布団は柔らかく上質・・・・。首元で寝ているレグルス
って
「重っ!!熱苦可愛い!!!」首元が羽毛で温められてのどの痛みは消えているが・・・それなりに重い・・・。
愛情を持ってしても耐えられなかった。
寝ているところ柔かな寝台に落とされたレグルスは尾羽を広げて怒っていた。
「ご、ごめん!・・・ここは??」
酷く汗をかいているが自分の夜着・・・自分の部屋かと思ったが見知らぬ調度品と上品な部屋・・・。
紺色の寝具に包まれたベッドは広く、大人が三人寝ても余裕があるだろう・・・・。
見覚えがある・・・・というか今の時間は・・・・手元に愛用の懐中時計はない・・外はすでに明るく陽がさしている上、太陽は真上に近い・・。
「ねすごした!!!」いくら熱があるからと言ってこんな時間まで寝るとは・・・とにかく薬を飲んで仕事に戻ろう。
レグルスの足に取り付けられた薬筒を取ろうと手を伸ばす。
ヒョイ
軽やかにジャンプして避けられた。もう一度
ヒョイ!
「・・・・・・。」狙いを定めて手を構え一気に!!
ヒョイ!ヒョイ!!
「レグルス、薬ちょーだい」手を広げる。
ピョンピョン
スプリングの利いたベッドが少し軋ませながら後方へと逃げる。
「俺の薬だぞ。遊んでないで返せ。仕事に遅れるだろ。」
しかし、一向に渡そうとしない。
「悪戯するなよ!返せ!!!」広いベッドの上で一人と一匹の攻防は続く。一歩動くごとに体が軋む、こんな事に体力を使っている場合ではないというのにレグルスは遊んでくれているとでも思っているのか・・・。
「レグルス!!!」強い口調で言っても少し項垂れるものの渡すそぶりはない。
刻一刻と時間が過ぎてしまう。熱で重い体を動かしていたものの吐き気がしてきた。薬は諦めるか・・・そう考え、ベッドから降りるも
「うわっ!」転げ落ちてしまった。背中と後頭部が痛いが、意識は少しだけ鮮明になった。このまま仕事に向かおうと体を起こそうとした時、扉が開いた。
「・・・起きたのか?」