第4章 導きの星は誰を照らす
頬にちくりと鈍い痛みが走り、目を覚ますと見知らぬ天井が見えた。
頭が酷く重い、体が熱い・・・息苦しい・・・。
レグルスはしきりに頬を摺り寄せる・・随分甘えてくる・・喧嘩してたのに珍しい・・・。
「気がついたのか?」
声がする方を見るとルナが来ていた。
「あれ?何で母様が・・・?」「覚えてないのか?」
「???何のこと」
何故自分はここに・・・?確か、レグルスを探しに部屋を出て・・それから・・・・
酷く頭が痛い・・・喉が焼け付くように痛い・・・
「忘れ物を取りに来たんだ。お前、具合悪いのにこんな時間まで起きてちゃ駄目だろ・・・中庭で倒れていたのをレグルスが見つけてくれたんだ。」
「なか、に、わ・・・・・」
そうだ中庭に出て・・・それで、
「今日はもう休みな。3日分の風邪薬レグルスに持たせたからちゃんと飲むように」
「なんで・・おれ・・・・ん、だ・・・ろう」
駄目だ体が重い・・・瞼が重い・・・。
水底に沈む様に意識がゆっくりと堕ちていく。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて、どうしたもんか」
用は済んだので長居は無用と思い城下へと戻ったが、どうやら厄介事に巻き込まれてしまいそうだ。
「気ままにのんびり過ごしたいんだけどねぇ、こっちとしては。」
しかし、そうもいくまい。今の今まで散々迷惑をかけてしまったのだ。そんなあの子のたった一つの願いを叶えない訳にはいかない。
「まっ!何とかなるだろう、それよりこれどうしよう。明らか重複雇用になるなぁ」
城から出る際に渡されてしまった書状、国王自らとなれば無下には出来ない。
「ほんと、どうしたもんか・・・。」
ため息ついても始まらない。ともかく今は、あいつらが押しかけてきた際に壊された物の見積もり出さなければ・・・。