第4章 導きの星は誰を照らす
「で、私を呼びだした・・・と、この城のお医者様って随分無能なんですね~・・・町医者ごときに要請かかるなんて」
不機嫌な顔をしながら此方を睨んでくる女性は先程城下から連れてきた医者だった。
「すまない。俺の主治医に頼もうかとも思ったのだが、」
ユーリとアルバートから報告を受けたばかりだ。念には念を・・・。
「まぁ、いいんですけどね~・・。行き成り押掛けて、薬品ぶちまけ様が、睡眠妨害しようが、夜の町中で騒ごうが・・・。」
ニコニコと笑っているが青い目はまるで氷の様に冴え冴えと輝いていた。要するに目が笑っていなかった。
しかし、そんな彼女だがこの部屋に入った途端、怒りは静まり、すぐに処置を施してくれた。
事情はかいつまんでだが処置中に説明した。
容態が落ち着いたと同時にこの怒気であるが・・・。
「怪我はないし・・水もだいぶ飲んでたけど吐き出せた。
まぁ、ちょっと体調崩してたみたいだから今夜あたり熱が出るな・・しばらく安静に、だな・・。薬は3日間くらいおいてやるか。」
そう言って、鞄の中の薬草を煎じてレグルスに持たせてやる。
「お前が一番に見つけたそうだな。お手柄だったな、」
首のところを撫でてやると誇らしげに一鳴きする。
彼も先程彼女の手当てを受けた。羽が少しだけ傷ついたらしいが飛ぶことに支障は出ないし治ると診断されたものの、
包帯を巻かれた姿は痛々しかった。
「で、その犯人は??」
「まだ捕まっていない。官僚に雇われたのか他国からのスパイなのか・・・。」
駆け寄った時にはすでに姿が見えなかった。血の跡をたどったが途中で消えていた。
「まぁ、スパイだろうが官僚だろうが、誰だって目を抉られれば、当分は下手なことしないよ。目ん玉残っていたら尚良かった・・・角膜調べて、犯人見つけ出せたのに」
こいつ飲み込みやがって・・・
酷く低い声で物騒な言葉を聞いた気がするが聞かなかったことにする・・・。
白い鷲はベッドに寝かされていた少年の頬をつつく
「う・・・うぅん・・・あれ?」
「あぁ、起こしたか・・・。」