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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第2章 考察と調査


 「そうだ。国王にお目通り願いたいことがあったのです。例の執事の件です。」

 それは、つい最近のことだ。久方ぶりにユーリがこのウィスタリアに訪れたときについ溢した内容だ。

 「この城、随分と荒れたね~」「そう?」
 「ルイ様は執務室や玉座の間しか入らなくなったから気にしてないかもしれないけど、中庭とか客室とか凄かったよ
 あっ!プリンセスが使ってたお部屋はすっごい綺麗だったけど」「あの部屋はメイドたちが自主的に毎日掃除しているからね」「だからか。でも、それにしたって格差激しいよ。客室は蜘蛛の巣ないにしろ埃っぽいし、
 俺がもともと使ってた部屋なんて蜘蛛の巣張り付いてた上カビまで生えてたよ、中庭なんてほぼ枯れててちょっと様変わりしすぎだよ。
人員そんなにいないの?」
 「官僚も辞職したし、元々王宮のお抱え給仕たちが年嵩だったからね。大半が辞めて。騎士と官僚はそれなりに入っても、給仕はね・・・」
 捜索隊は大半の騎士と官僚数人で定期的に行っている。
 皆、プリンセスを案じ捜査に参加する為・・・しかし、給仕は今や、帰らぬ主を待つのみといった役職だ。
 これで官僚が何人かこの城に宿直するならばいい

 しかし、

 「やっぱり、王宮の主であるルイ様がほとんど王宮にいないのも原因だな」「・・・・・・。」
 

 即位したとはいえ王宮で暮らすのは落ち着かずハワード邸に帰ったり、自身も捜査に加わり城を開けることも少なくない。 もともと自身の着替えなどは自分でやっていた。
 結果、給仕達は『お世話したりない病』に陥っていた。
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