第4章 導きの星は誰を照らす
昼の喧騒とはかけ離れ、今夜はとても静かな夜だ。
あの少年が来てから、この城も随分賑やかになった気がする。
官僚たちが養子に迎えてはと声をかけてくることもある。
権力を欲する愚か者の考えに嫌気がさすも、あの少年の存在を煩わしく思ったことはない。
優しく、人の気持ちを尊重する暖かな真心、仕事に熱心に取り組む姿勢、ころころとよく変わる表情・・・。
とても好ましく思う・・・。
最初は、アルやユーリ達が似ていると話した彼が自分と似ているのか信じられず、また愛しい人の手がかりを何か知っているのではないかという望みの元、この城に招いた。
いまだに手掛かりはつかめず、自分と似ているようにも思えないが、心が少しだけ穏やかになりつつある。
かつて、父王の件で婚姻を延期する前に『世継ぎ』の話をしたことがある。
あの時でも 愛しい妻と共に居られたならばそれで良い。そんな風に思っていたが、少し欲が出始めている。
ステラとの子がいてくれたら――――
「あの子が・・・お前との子であれば一番うれしいのだが・・」
少年が来てから、穏やかな気持ちで妻の絵を見ることが出来る。心なしか小さなペンダントの中の彼女は優しく笑っているように見える。
そろそろ夜も遅い眠るとしよう。そう思っていると
「ヒィーーーーー!!」