第4章 導きの星は誰を照らす
「失礼します。」「ゼノ様、ウィスタリアの国賓が到着しました。」
重厚感のある大きな扉。ウィスタリアとは違う。どこか閉鎖的で静かな荘厳さと格式のある雰囲気の国だ。
「・・・・・・入れ」静かで低い声が扉の向こう側から聞こえる。
ゆっくり扉を開かれ、ユーリが入る様に促す。
舞踏会で見た時と同じように、冷たい無機質な目で机に重ねられた書類に目を通していた。
「一介の執事見習いを国賓としてお招きいただき恐悦至極にございます。招かれた以上、シュタインの執事たちのご教授の機会を生かし精進させていただきます。」
礼を取って国王の言葉を待つ。
「よく来た・・・。今日は疲れただろうゆっくり休むといい。ユーリ、部屋へ案内しろ。明日より教育係としてお前をつける。・・・・わからないことは聞くといい」
薄く笑みを浮かべた表情は威厳に満ちながらもやさしく一枚の絵画の様に整っている。
「お任せください!あっ!部屋の場所は俺とアルの部屋の隣だよ。何かあったら声かけてね」
「・・・・はぁ」
国賓に対する護衛も兼ねているのだろうか?