第4章 導きの星は誰を照らす
思い立ったが吉日というか、早速シュタイン城に向かう事になるとは・・・。
間もなくシュタインに着くらしいがこの無意味な装飾品と乗り心地の悪い馬車はいまだ慣れない。
同じ時間乗るなら馬の方がいい・・・。
「まぁ、荷物もなんもないから良かったけど・・・・レグルスお前何かしたの?」
売られた子羊の気分である。これは何かあるといつも困らせられる相棒に聞くが、のんきに毛繕いしている。
アウラの事も心配だ・・・・お城に連れて行ってはいけないから途中の宿屋で預かって貰おうと思ったのだが、タイミングを逃してしまい、ばぁばにお願いして預かって貰ったのだ。
すぐに帰ってくるつもりだったのでルナにも連絡入れてない・・・。
シュタインの薬屋さんに寄って貰おうかな・・・?
否、それでは不特定多数の人に見られる。仕方ない。
「レグルス、ルナ母様にお手紙を届けて、俺、しばらくまたいないけど、迷惑かけないでよ」
ルナは動物が嫌いだった例外はない手伝いなどで牛の乳搾りや羊の毛刈りなどやるにはやるが、出来れば触りたくもないし触れたくもない。飼うの絶対禁止。
特に悪戯好きのレグルスは一度彼女の仕事を邪魔し、貴重な薬草をお釈迦にしたこともある為、視界に入るだけでも嫌がる。
俺・・・・次あった時死ぬかなぁ・・・。
気持ちを知ってか知らずかわからないがレグルスは大きな白い翼を広げた。
空は少しだけ雲が重く少し肌寒い。遠くに見える街並みも重厚感のある建物が多く、雰囲気が全く違う。
ただ、やはり知らない土地に入るとわくわくするな~。
シュタインの城下に入ると皆珍しげにこちらを見ている。
住む人の服装はウィスタリアとそこまで変わりない。
すこし厚手のベストを着ているくらいだ。
「・・・・・クシュン!」少しだけ肌寒い・・・。
目の前には石造りで荘厳な雰囲気の城がある。見覚えのある人影が二人。
「ヤッホー」「早い到着だな。よく来た。」
国王の側近二人・・・。たかが執事見習いの出迎えに来るなんて・・・よっぽど暇なのだろうか?
「執事だが、国賓だ出迎えるのは当然だろ」「ゼノ様がお待ちだよ~着いてきて」