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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第4章 導きの星は誰を照らす


あぁは言ったがやはり野宿よりベッドの方が寝心地は良い。
一度 背中を伸ばして身支度をする。今朝は母が持たせてくれたお弁当を食べる。香草がタップリ入っているので傷んではいない。
「おや、ご飯は済ませたのかい?」宿屋の女将さんなのだろうか?昨夜、フロントの受付をしていた人が軽食を持って来てくれた。
「はい、夕べは食べなかったので早めに食べないと。」「あら、ま!随分手の込んだお弁当ね。お父さん見た目の割に料理上手ねー」
この御仁目はちゃんと機能しているのだろうか?心配になる
「あははは、お父さんじゃなくて、ははさまの手料理です。道中で食べる様に持たせてくれたんです。」「そうかい。優しいお母さんだねぇー。好き嫌いしちゃダメだよ。」「そんなものないですよ。そのご飯、下げないで下さい。お昼用のお弁当にしますので.お気遣いありがとうございます。」
「いーえ、どういたしまして!そういえばお父さんは早くに出発したのね。姿が見えないけどこの軽食もお父さんに届けてくれる?」
「・・・・・はい」
さて、どうやって渡そう。本当言うと凄く嫌だ。しかし、優しい気遣いを無下にする訳にはいかない。内心深い溜息をつき王都を目指すことにした。


シドの情報通り森の中は舗装されているとはいえ、馬の食べる様の草も豊富にあった。が、宿屋で干し草いっぱい食べたらしく、アウラは森の中を休む事なく走ってくれ、一日でウィスタリア城に着いてしまった。
可笑しいな、最初来た時は何日もかかったのに。早駆けするとこんなものなのだろうか?などと思いながら、ウィスタリア城に入る前にソルやばぁば達に挨拶をしなければ、

「うわぁ!?返して!!」「きぁ!?凄い」「あーん、レグルスがおやつとったー」
ソルの家に入ると何だか賑やかだ。先客がいるらしい。
真っ白な体に凛々しい金色の目。今は縦横無尽に部屋を飛び回っている我が相棒。
たった2、3日の間に随分馴染んだ様だが、

「レグルス、返せ。」少し強い口調でレグルスに命令すると包装紙に包まれたお菓子を持ち主の元に渋々と返す。食べれないくせにどうしてとるかな
「あっ!ルプスだあ!」「おかえり、今日着いたの?」「うん。今来たとこ。レグルスの面倒見てくれてありがとう。」
レグルスは頬擦りをしてくるおやつを強請ってるのだ。

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