第4章 導きの星は誰を照らす
馬車に乗り、長居したくはないが休憩する為、一応生家であるグランディエ邸に馬車を向かわせた。
一昨日くらいに執務室でルイ達と話をしていた時に一羽の鳥が入り込んで来た。 最初は色からシュタインからの追加連絡かと思ったが、よくよく見れば鷲。真っ白な鷲なんて珍しいと驚いたが、その上、届けられた一枚の手紙の文書にも驚いた
「これから帰ります。母に観光に来ないかと誘いましたが、行けないと断られましたので一人で馬乗って戻ります。多分3日くらいでウィスタリア城に着きます。それまでレグルスをお願い致します。
追伸、他人に対して噛み癖があるので不用意に手を出さないようにその辺の森で狩をする様に言い含めているのでペット放し飼いにしている場合はすぐに屋内に入れて下さい。』
何かの冗談だろうと思いつつもルイは西の街で待機する様に俺に依頼し、ルプスに当てて手紙を書きレグルスと言うらしい鷲に届けて貰おうとするも鷲は言う事を聞かなかった。相当良く躾けられてる。
半信半疑西の街で待機していたら、綺麗な馬を連れた小柄な人間が路地裏に入って行くのが見えた。顔を確認出来なかったので放っとくつもりだったが、その後ろをゴロツキが追いかけているのを見て半ば好奇心と勘が働いたので様子を見ていた。あくまで様子見だ
案の定、小柄な人間は探していた人物で、あの武術大会で見せた以上の体術でゴロツキ達を返り討ちにした。
気絶した相手の身ぐるみまで剥ぐ容赦無さに少し驚いたがまず一人旅しても心配ないだろう。当の本人も一人旅を満喫しているらしく手助けはいらないと突き返された。
俺としても、一緒に宿を借りるのはまっぴらだ。この親子ネタは絶対他の奴らに特にソルには絶対聞かせたくない。
まぁ、一つ収穫があったのだ。この話をする事はないだろう。アイツも態々自分の汚点を晒すとは思えない口を割らなければ永久封印だろう。
「ロイド様、屋敷に着きました。」「あぁ」「国王陛下や側近様がお見えです。応接室へ」予想どおりだ。応接室行く、いつものメンツだ。
「よう、報告前に一つ確認したい。プリンセスが乗っていた馬についてだ」