第4章 導きの星は誰を照らす
「おい、いい加減機嫌直せよ」
半日食べてないとかなりお腹空くのかご飯は美味しい。心配していたアウラの食事にもありつけ、荷運びさんの口添えで宿屋にも入れた。好い事尽くしといえばそうなのだが・・・,
「手柄、全部取られた。」
だから人に手を借りるのは嫌なのだ。
大人に手を借りると、俺は被害者兼手助けをした事になり、報酬は全部相方に渡る。
まぁ運良く手助けされず渡しても、子供という理由で報酬を減らされる事も多いが
「良いじゃねーか、全額貰ってその内8割はお前に渡しただろ。宿屋と飯代俺の奢りなんだし。それ言ったらお前、『子連れ』だの『隠し子』言われた俺の立場どうなんだよ。結婚してねーのに」
「俺だって、お前みたいなおっさん「お父さん」なんて呼ばなきゃいけなかったんだ。不快感通り越して、吐き気と冷や汗と悪寒がしたよ。」
「そりゃ悪かったな俺もお前に『お父さん』なんて言われた上、抱きつかれた時は身の毛もよだつは吐きそうだったわ」
あの時口を抑えていたのはそういう理由か
見るからにこの辺の悪人牛耳ってます感否めない人だが、こうして宿屋と飯屋提供してくれた事には感謝はある。
『お父さんと旅行かい?良いわねぇカッコイイお父さんで』
と、宿屋の人に笑顔言われた時には、全否定しそうになったが、
「しっかし、本当に一人で戻って来たんだな。ルイの奴が念の為迎えに行ってこい言われた時には過保護だとは思ったが」
ウィスタリアに帰国する前にレグルスに頼んで手紙を渡したのだちゃんと受け取ってもらえて良かった。
「過保護なのは今もです。宿屋なくてもとりあえずは野宿でどうにかなるし。まぁ、馬の食事には困りましたけど」
「ハッキリ言うなぁー」「素直な良い子ですから」「夜盗どもにも言ってたな。確かに『自分に』素直だな。」
「はい、なので宿屋の提供だけ済ませて帰ってください。お父さんなんて呼ぶの気持ち悪いんで」
「それは俺の台詞だわ。まっ!明日の朝出発すれば夜には城に着くだろうよ頑張んな。俺は先馬車乗って行くわ。馬に乗ってくるなら昼間は森の中走っておけ。」
人相や態度はどうあれ、王宮に出入りしているだけあり必要な情報をしっかり提供してくれる。
「ありがとう。シド」「ヘッ素直なイイコじゃねぇか」
そう言って頭を荒っぽく撫でられた。