第4章 導きの星は誰を照らす
なかなか宴に顔を見せに来ない主役。何かあったのだろうかと心配になるも
「気にするな」「あぁでも言わないと、部屋に戻れないからな。」「飯が無くなったら、俺たちもお開きにするか。」
そう言って皆のんびり宴会を楽しんでいた。
俺は何となく宴会を抜け出し村を見て回る。
にぎやかな場所から出ればそこは美しくもあり少し物悲しい雰囲気。
村のはずれにある小さな家が目に入る。辺境には珍しい白い綺麗な馬・・・。
その馬に寄り添うように女性が立っている。
「あの子を・・・お願いね」
言葉に応えるように馬は女性の髪を引っ張る。
「あぁ・・。宴会はどうでした??」
こちらを振り返り一瞬驚いたようにしたが笑顔で問いかける。
「!・・・にぎやかでちょっと驚きました。」「みなさん、陽気でいい人たちですから・・。酒癖悪いけど」
「参加しないんですか?」「えぇ、まだ旅の支度が出来てないし・・それにあの子も寝てしまったから。それに明日は酔っ払いの面倒見ないといけないので」
そう言ってキャラキャラと笑っているがとても寂しそうだ。
「あなたも確か明日にはここを離れるらしいね」
「・・・えぇ、」「絵をありがとう。とても素敵な絵だった。」
「機会があれば、また来るよ。可愛い生徒がいるから」
「薬師様が聞いたら鳥肌立てるね。その発言」
確かに・・・・想像すると面白い・・。
手を女性に差し出す。女性はそれに応える
「それじゃあ、またね」
か細く伸びた手は以前よりずっと細く、体も儚げですぐに折れてしまいそうだ。
それでも
「えぇ、もし会えたなら・・・。」
目は変わらず優しい眼差しが色に出たように綺麗な茶色だった。