第4章 導きの星は誰を照らす
話してみれば、やはり理論的で感情がいまいち読み取れないそんな口ぶりがよく似ていてとても他人には見えない。
容姿だってとてもよく似ている。母御に父親について聞くべきだろうか?それとも、彼女自身本当にあの子の・・・・。
考えが中々纏まらない、取り敢えず、依頼された絵を描き上げる事を今は考えよう。
しかし、中々寝付けない。水を一杯貰って寝よう。そう考え、リビングに行くと
「あぁ、こんばんは。」朝に会った女性が立っていた。みれば繕い物をしているのか針と上着を手に持っていた。
「お加減大丈夫なんですか?」薄暗い月明りしかない部屋では分かりにくいが、朝の出来事から心配になってしまう。
「はい、二日間。三食昼寝付き休暇頂いてもうすっかり。いつまでも甘えてばかりはいられないし。
あ、でもココにいる事内緒にしてくれ。寝静まったのみてコッソリ抜け出したの。」朝は気にならなかったが、口調が揺らいでいる。無理に口調を直している気がしてならない。
「この国は豊かでいい国だね。」「あぁ、住んでる人が気さくで優しいからね。村だと多少不便な事もあるが、それでも長閑でいいところですよ。」
微笑みながら上着に金糸で刺繍を施していた。袖口や襟元といった小さな部分だが、それが逆に上品な印象を生み出していた。丈からして子供用だろうか
「お子さん、他国で執事見習いをしているんですね。驚いたよ。あれだけ若くて王宮専属でしょ?」「私が宿屋をしているからか、料理や掃除といった作業が好きになったみたいで、ご縁もあって国王に行儀見習いをさせて貰ってた時から、他国への推薦を貰ったんですよ。」
「でも、知らない土地に送り出すのはやっぱり不安だったんじゃない?」
もしも、あの子ならそんな事するとは思えない。故郷を追われ、見知らぬ土地で過ごしていたなら尚のこと、
「周りの人があの子を助けてくれたし、それに薬師様の故郷でしたから、不安はそれ程・・・。」返答に戸惑いは見られない。やはり、思い過ごしなのか・・・。