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【A3!】劇団員たちとの楽しい日常。

第5章 アネモネとキス。2



「、」


 自分の部屋のドアを開けて驚きのあまり言葉を失った。洗濯物を回収していたときにどこにもいなかったことを思い出し、まさかここで寝ていたとはと頭を抱える。また戻ってくるならなんで私が起きたときにはいなかったんだろう。ベッドの横に屈み、寝顔をじっと見つめながら考えるも答えなんて出るはずもない。シーツを洗濯したいので起こすべきか、それとも。


「…ん、…」


 不意に身動ぎした密さんに思わず肩が跳ねる。驚きのあまり速まった鼓動に胸を押さえて小さく息を吐いた。密さんはまだ起きていない。綺麗な唇から漏れた小さな声に、視線がそこへと釘付けになった。
 あの日のことを思い出す。あの時も寝ている密さんを起こそうとしてそれで。


「………」


 ごくり。生唾を飲み込んだ。あの時の感触が鮮明に蘇り、そこに触れたくて仕方がない。どくんどくんと脈打つ鼓動を溜息で逃がす。
 実はまた起きてたりして。なんて。可愛らしく寝息を立てる密さんをじっと見て、立ち上がった。やめよう。シーツの洗濯はまた明日に回そう。別に今日しなければいけないわけじゃない。私は密さんが起きないように静かに部屋を出た。




 欲求不満なんだろうか。何をしていても頭の中が密さんでいっぱいになる。休憩しようと談話室のソファーに座ってテレビをつけて見たものの内容が一切頭に入ってこない。ごろりと横になってテレビを消した。ぼんやりしている内に睡魔が襲い、まだ時間も早いし少しだけお昼寝でもしようと降りる瞼をそのままに目を閉じる。微睡みはゆったりと私を夢の世界へと誘った。
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