第4章 風邪を引いた日のとある日常。
「あっぶね」
「紬さんとちゅーしちゃった…」
「は?」
「どうしよう…」
「大事な時期に伝染ったらどうすんだよ」
「付きっ切りで看病する…」
「あっそ」
言いながら寝巻のボタンを外されていく。そういえば着替えと言っていたことを思い出すと万里くんの体をぐいと押して引きはがす。文句言いたげな万里くんに下着をつけてないことを告げるとどうでもよさそうに表情を歪められた。私が食い下がらないことを悟った万里くんに濡れたタオルを渡され、それで汗を拭けと言われた。
「これ、俺のだけど着替えだから」
「ありがと」
「どいたま。じゃあ俺戻っから」
「元気になったらいっぱい話聞いてね」
「あいよ」
部屋を出ていく万里くんに手を振った後、寝巻を脱いで汗を拭き渡された服に着替える。大きめのTシャツはまるでワンピースのようで下は履かなくても問題なさそうだ。お風呂に入りたいけどさすがに治ってからじゃないと入れないな。なんて考えながら汗で湿った着替えを掴むと部屋を出た。
休んでは騒いでを繰り返してるせいか治り始めてもまたぶり返してる気がする。反省してそろそろ体を休めないと本当に明日動けなくなってしまう。洗濯機に寝巻を放り込むと部屋へ戻ろうと踵を返した。