第3章 ユリと本音。
寮に戻り談話室へ行くとテレビを見ていた一成くんが私に気付き慌てたように駆け寄ってきた。幸くんのことだろうかと思考し一成くんの言葉を待つと案の定、考えている通りの言葉が掛けられた。
「はるるお帰りー。ねえねえ、ゆっきーとなにかあったん?」
「…やっぱり怒ってた、よね」
「んー、怒ってたってよりー、なんか、悲しそうだった?的な感じ?」
「悲しそう…?」
「そうそう。なんか覇気がなくてー、しょんぼりしてたっぽい?すぐ部屋戻っちゃったんだけどさ」
やっぱりさっき質問に答えられなかったことが原因なんだろうか。一成くんが話していることはもう頭に入らず一声掛けると一旦自室へと戻った。荷物を置いて、とにかく幸くんに謝ろうと幸くんの部屋へと向かう。でも未だに答えは出ず、答えられないままだと失礼だろうかと部屋の前で立ち尽くすもそれでも言葉を交わせば何かが分かるかも知れない。意を決して部屋のドアを数回ノックした。
「幸くん、…はるです」
「…何か用?」
「話したいことがあって、」
「…、…断っても無駄なんだったら勝手に入って来れば」
「…お邪魔します」
ドア越しの幸くんの声に元気はないようだった。ドアを開けると今日買ったものを整理している幸くんがこちらを一瞥し、視線を戻す。気まずい雰囲気に何も言えず沈黙が流れる。何か、何か言わないと。気持ちばかりが焦り上手く言葉が出てこない。
しかし沈黙を先に破ったのは幸くんだった。