第3章 ユリと本音。
「…、…オレのこと、どう思ってんの?」
幸くんにしては歯切れの悪い言い方に幸くんの真剣さを感じるものの言葉の真意が掴めず黙り込む。なんて答えるのが正解なのか浮かばず、困ったように首を傾げると盛大な溜息を吐かれた。何か言わないとと口を開くものの言葉が思うように浮かばず、開いては閉じてを繰り返す。本日何度目かの溜息を吐いた幸くんが空になったカップを持って立ち上がった。
「もういい」
「え、幸く―――」
「なんとも思ってないならデートとか言われても迷惑なだけだからやめてって言いたかっただけ」
向けられた視線はいつもより鋭い。何も答えなかったことに苛立ちを感じてしまったのか語気も荒く謝ろうと口を開いたときには幸くんは背中を向けていた。引き留めようと伸ばした手が空を切る。
「オレ帰るから」
「ま、待って幸くん。帰るなら一緒に、」
「一緒には帰らない。悪いけど時間を置くか別の道から帰ってくれる?」
「、」
それじゃあ。と荷物を手に幸くんはさっさと歩き始めてしまう。どんどん離れていく背中を見ながら一体なにが幸くんの機嫌を損ねてしまったのかを考えた。買い物の最中か、それともたった今の会話だけなのか。真意は幸くんにしか分からず、考えるよりもやっぱり幸くんに直接確認して、何かしてしまったのなら早く謝ろうと荷物を掴むと寮へと急いだ。