第3章 予想
月 △日
なんていうことだ。昨日の俺の予想が当たった。
俺は、今とても幸福だ。すごく…ものすごく。
いまも耳が熱いというか全身が熱い。
卵でもたらしたら目玉焼きができそうだなぁ。なんて。
それよりだ、またいつもの通り公園の橋で景色を眺めてたんだ。
横に気配がしたからサングラス越しにちらりとみてみるとな、
非常に美しい女性がいた。
真っ黒くてしっとりした髪、シンプル過ぎる服からみえる華奢な身体。化粧は全くしていないようだった。
さらに、彼女は、まるで長くて多い睫毛で重いかのように、目を伏せて、口をギュッと閉めていた。
今でもその物憂げな表情と缶コーヒーを握り締めた真っ白く細い指が頭に残っている。
さすがに、話し掛けるなんて無理だった。
そんな空気を出していた。
私に近づかないで、ってそんな空気
明日もいるだろうか。
またあの美しい彼女を、この目に焼き付けたい。
サングラスはもう持って行かない