第2章 バレーボール
更衣室に入れば同い年の部員が着替えたり、雑誌を読んだりしている。
「みんな早いね〜」
元気よく更衣室に入った茉子の第一声。
それに全員が反応した。
「元気じゃん、どしたー?丸井と付き合えたの〜」
と茶化し始めたのは雑誌を読んでいた丸井たちとクラスの同じ部員。
丸井、と言う名を聞いただけで頰を染めた茉子を隣で見ながら乙女か、とツッコミそうになった奈々。
なんとか、耐えた。
イジられる茉子を横目に、奈々はさっさと自分のロッカーの方へ向かう。
そんな彼女に絡んで着たのはこれまた丸井たちと同じクラスの子。
「奈々も仁王くんとランチしてたねー」
「うん、まぁ」
全く恥じらうこともなくあっさり認めた奈々に話しかけた部員はため息をついた。
すると隣にいた他の部員が
「これだから奈々ってば弄りがいないんだもーん。茉子を見習いなさいよ」
と茉子を指差した。
未だにイジられている茉子は耳まで真っ赤だ。
完全に遊ばれている。
「急に私が茉子みたいになったらどうするの」
そんな茉子を少し見つめた奈々はため息混じりにそう言った。
「……それは、それで…」
茉子のように振る舞う奈々を想像した部員は、一瞬言葉を失った。
そして、
「嫌かも…。ていうか、気持ち悪い」
とみんなが口を揃えて言った。