第2章 迷っているのは、進もうとしているから
『サポート向きなんだよね、私!』
「だったらなんでそんな没個性で
雄英の、しかもヒーロー科目指してんだよ?」
(今サラッと没個性言われたな・・・!?)
『んー、会いたい人がいるから!』
「・・・お前それって、」
勝己くんが何か言いかけたけど、
頭の回転が早い彼はなんとなく察したんだろう。
それ以上は何も言ってこなかった。
私の好きな人のこと
・・・お兄ちゃんに会いたい。
ただそれだけの為に私は雄英高校ヒーロー科に入る。
この不純な思いは
勝己くんにはまだ話せてなかった。
『・・・勝己くんに言ったら絶対
バカじゃねーの!って言われる!』
「ばっっかじゃねぇの」
『聞こえてた!?
てか、そうやってすぐ
人に喧嘩売るのよくないよ!?』
「今のはテメェがフッてきたんだろが!」
あぁ、こうやって勝己くんと
口喧嘩してる時間が好きだったりする。
ぶっきらぼうだけど
本当は優しい彼が今では好き。
お兄ちゃんのことも大好き。
ーー私は最低な女だ。