第5章 恋愛と戦争では手段を選ばない
「っだあぁ!!うぜぇ!!」
ついにブチギレ状態の勝己くんに、
両腕を捕まれ床に張り付けられる。
(や、犯られるーーー!!)
ぎゅっと目を瞑る。
すると勝己くんはそのまま私の首筋に
噛み付くように唇を押し付けた。
じゅっとした痛みがリップ音と共に走る。
『痛ッ、なに!?』
「るせぇ、喋んな。」
ブラウスをはだけて、またキスを落とす。
繰り返すそれはちく、ちくと痛む。
綾乃は目を閉じたまま行為の終わりを待つ。
「・・オイ、なんて顔してんだよ。」
『だ、だって・・////』
「帰る。」
『えっ!』
何事も無かったかのように立ち上がり、
カバンを手に持ちさっさと玄関に向かう勝己くん。
『ちょ、待って!お見送り・・』
「いらねぇ。」
いつも通り素っ気なく返された返事に戸惑う。
なんか申し訳ないことをした気がするけど、
貞操を守るため仕方なかったし・・
(勝己くん、ごめんなさい)
素直に反省していた。
・・自分の首元を鏡で見るまでは。