第3章 恋は意思とは関係なく生まれ、そして滅びる
試験から1週間後。
雄英から合格通知が届いた。
筆記はギリギリ合格、
実技は審査員が居たらしく
レスキューポイントというのがついていた。
ヴィランポイント43+レスキューポイント30
余裕で合格圏内に入っていたらしい。
(レスキューポイント・・・
じゃあもしかしたら出久くんも・・)
予感は的中。
今年は折寺中から3人の生徒が
雄英へ進学することが決まった。
勝己くんはといえば
「どんな汚ねえ手使やあ無個性が受かるんだ」
って、出久くんにものすごく怒ってたけど・・・
出久くんは無個性なんかじゃない。
試験の日以来、なんとなく
勝己くんの前で出久くんの話はしなくなった。
彼の機嫌を損ねてしまえば、
次こそは本当に爆破されてしまうかもしれない・・
あと変わったことといえば、
勝己くんの居ないところで
出久くんと話すようになった。
そんな少しずつの日常の変化とともに
ついにやってきた春ーー
雄英高校での生活の始まり。
そして、
大好きな人と再会の季節。