ヤンデレヴィクトル氏による幸せ身代わり計画【完結済】
第1章 契約の話
「もうやだ、帰るー!う、頭いたい、も、とりあえず離して、バカ!」
「わ、危ないから大人しくしてよ、ちゃんと薬塗ってあげるから」
「いらないから早く離して!」
色んな痛む場所を無視して、桜がばたばたと足を動かせばヴィクトルは咄嗟に手を離した。
すぐさま、彼から距離を取ると自身がまだ全裸であった事に気づき、シーツを手繰り寄せて、男を睨みつけた。
「悪いけど泣かれるのは苦手なんだ」
「そんなこと言われても泣けてくるんだからしょうがないでしょ!?だいたいこんな明るい部屋でレディーの足を開くなんて何事!?恥ずかしいやら情けないやらで心がガタガタなんだから涙くらい出させてよ!」
その言葉にヴィクトルは目を丸くして、ややあって納得したように頷いたあと、謝罪を口にした。
「確かにデリカシーが無かった、すまなかったね、誤解しないでほしいんだけど、決して辱めようとした訳じゃないんだ、なんというか、君は体も小さいし、昨日もアルコールのせいかそんなに感じて無かったように見えたし、なのに俺はがっついてしまったからもしかして傷でも作ってないかと心配になって…」
はて、そうだっただろうか?
彼女は昨夜の行為を思い出してみた。
そう言われれば確かに昨夜はそこまで盛り上がらなかった。
しかしそれもそのはず。
アルコールのせいもあるだろうけど、桜は別にヴィクトルを恋愛感情で好きなわけでもなければ、行為中に自分のものではない名前で呼ばれ、自分以外を愛して身代わりに抱かれている状況でどう盛り上がれというのだろうか…
それともう一つ。
「ロシア人、に限らず欧州の人って前戯が短いんですよ、日本人のほとんどは前戯が長めだからそういうのも関係してるかも」
思い至った最大の理由を彼女はヴィクトルに教えてあげた。
「へぇ、そうなんだ、今まで日本人とsexしたこと無かったから知らなかったよ、前戯が長いってどれくらい?」
興味深げに聞いてくるヴィクトルに、戸惑いながらも桜はその疑問に答えた。
「どれくらい…うーん、私もあまり経験は無いし、詳しくは分からないですけど、前戯だけでイッちゃう時もあるかなー」
「え、そうなの?へぇ、国によって文化が違うのって面白いねー、じゃあ日本人とする時はいつもより前戯に力を入れてみるよ」