第4章 これから
佐助君と私は顔を見合わせて、窓の外を覗いた。
たくさんの武士が列を作って歩き、お触れを出している。
「どうしよう……」
幸「お前何したんだ?触れを出されるって相当だぞ。ってか昨日走ってたのもこれが原因か?」
佐助「それは俺も気になってた。昨晩も豊臣秀吉が追ってきてたよね。」
「えっと…昨日の夜、色々あって目覚めたら本能寺にいたから、行きがかり上、織田信長を助けたの。」
幸「へぇ…お前が信長を、ね……意外とお前、やるな。」
佐助「それは大変だったね、舞さん。」
「うん……。それで…『天下人の女になる気はないか?』って言われて、周りの武将も変だし…」
佐助「思わず逃げてきたらこうなったってことか。」
「うん…」
幸「はぁ?何が『天下人の女になる気はないか?』だよ、さすが信長、うつけにも程があるな」
幸は端正な顔を歪ませてブツブツと言っている。
(やっぱりこの人は…信長様の敵、なのかな……。)