第3章 夢か現か
秀吉「舞、どこだ?」
(この声…確か、豊臣秀吉……?!)
佐助「………こっち。」
「え?……っ!」
佐助くんは私の手をとると、どこから出してきたか分からない大きな布を取り出して私ごと包み、草むらに紛れた。
(これ、普通にバレるんじゃ…?)
そう思いながらも静かにしていると、豊臣秀吉の声が聞こえた。
秀吉「…こっちにもいないか」
そして豊臣秀吉は去っていった。
しばらくして………
舞・佐助「「……ふぅ」」
佐助「とりあえず君には悪いけど今夜は里の宿に泊まってもらう。念のためこれを使って変装してくれ。」
そういって佐助くんは私にかつらを手渡した。
「ど、どうしてこんなものもってるの?」
佐助「忍者だから。変装もすることがあるんだ。俺が使っちゃったやつなんだけどごめんね。」
「そ、それはいいんだけど……」
そうこうしていると、真っ暗だった木々の隙間からうっすらと光が見えてきた。
佐助「里が見えてきた。」