第30章 ひみつのよる
それは信長様たちに連れられ、
安土に来てしばらくした後……
幸と思わぬ再会を果たした少し後の夜こと。
(今日は風が強いな…)
ずっと天井がカタカタと音がしている。
もう寝るだけ、となったが、どうにも音が気になって眠る気になれない。
(お茶でも点てようかな…)
そう思ってお茶を点て、飲んでいるとーーー。
カタン。
上から音がする。
(天井が外れたの!?)
びっくりして上を見ると黒い人影が見えて………
「きゃ…………っ!!!!!」
???「こんなことして言えることじゃないけど、安心して。叫ばないで。」
「!?…………」
叫ぼうとしたら口を塞がれ、
恐怖でカタカタと震えながらとりあえず頷く。
???「舞さんごめんね。でもどうしても君に逢って、伝えなきゃ行けないことがあったから。」
(………あれ、この声…)
次第に冷静になった頭が、その声を捉える。
「……………佐助、君…?」
佐助「…そう。驚かせてごめん。」
「私こそごめん…!あ、えっとお茶……」
佐助「ありがとう。でも大丈夫。こんな夜遅くに女性の部屋に長居するつもりは無いから。」
「???」
よく分からなくて首を傾げると
佐助君は目の前に正座して話を始めたーーー。