第24章 初陣(6)【R15かな…?】
(これは……夢………?)
白い光の中を曖昧な意識のまま進んでいく。
遠くなのか近くなのか、うっすらと見知った影を見つけ私はその人を呼ぶ。
「おかあさん!」
母はニッコリと笑って私を抱きしめて問いかける。
母「ね?いい靴はあなたを素晴らしい所に連れていってくれたでしょう?」
「………わからない。私、戦国時代に飛ばされちゃったよ。」
母「あなたはそこで、飛ばされただけ?何も、無かったの?」
そう言われて思い出すのは飛ばされた頃の不安じゃなくて、
幸村や佐助君、最初は打ち解けられなかったけれど良くしてくれた安土のみんな、
ーーーそして、信長様。
私は首を横に降る。
母「でしょう?」
にっこり笑う母は何かを知っているようにも見える。
………今、母はどこにいるのだろうか。
「お母さん……今、」
母「きっと次は貴方が、ずっと一緒にいたいと思える人と出会えるわ……気づいていないだけでもう出会ってるかもしれないわね。」
そしてそのまますっと消えて、
また世界は白に戻る。
母は全てを知っているように見えた。
「お母さん…」
呟く声は誰にも、聞こえない。