第19章 初陣(1)
卯の刻に出発し現在、巳の刻
(お尻がカチコチ………)
信長様に
私はどの馬に
乗れば良いですか、と尋ねれば…
信長『貴様はただ幸いを呼べばいいだけだから馬は必要なかろう。』
と言われ馬を貰えず
信長様の馬に乗せられた。
御守りに馬は必要ないってこと!?
立派な人権侵害だよ…!と思いつつも何も言えず大人しく信長様の馬にも乗っているのだが…
……ずっと座りっぱなしで正直疲れたなぁ
と思った矢先ーーー。
政宗「あーー!つまんねー!………おい、信長。暇だし少し早駆けしないか?」
退屈そうな顔をした政宗が突然そんなことを言い出した。
信長「悪くないな。…舞、飛ばすから一旦後ろに移れ。しっかり掴まっていろ。
…………皆の者、少し飛ばすが貴様らはそのままで良い。無駄な体力は使うなよ。」
そう言って軽々私を持ち上げて後ろに乗せ直し、突然のことに文句を言う暇なく信長様の腰にしがみつくとーーー
「わぁっ!?」
信長様は突然物凄い速さで馬を走らせた。
「ちょっ……信長様!速いですっ!!」
信長「早駆けなのだから当たり前だろう。」
政宗「ははっ!舞は早駆け初めてか!風が気持ちいいだろ!」
早駆けで上機嫌になった政宗がそんなことを言っているがこっちはそれどころじゃない。
「全然わかんないよ!怖いよ………!」
政宗「そのうち慣れる。とりあえず目開けて見てみろって。」
そう言われこわごわ目を開けるとーー。
「………!」
信長様の背中の先には広々とした荒野が、さっきと同じ風景なのに全く違う色で私の目に飛び込んできた。
(すごい……!あおい…………!!)