第3章 天然おだて上手
何の思い付きか、休日の午後みんなでお茶会をしたいと言い出した木兎。
いつものメンツが俺の店に集まった。
今日のスイーツは、フルーツケーキにアップルパイ、ガトーショコラ。
テーブルに並べたそれを見たこいつらは、口々に言う。
「苺ショートじゃないんですね。孤爪さんの好物は作るのに、僕の好物は作ってくれないとか。イジメですか?」
「ハァ?フルーツケーキに苺入ってんだろ?」
「苺が沢山食べたいんですよ、僕は」
「知らねぇよ」
「ねぇ、クロ。アップルパイのリンゴ、少なくない?」
目ざといなぁ…研磨の奴。
「ケチッたでしょ?」
「ケチッてねぇよ」
「ケチッた」
「ケチッてねぇ」
「ケチッた」
「ケチッてねぇ」
「………ケチッた」
ツッキーに続き、研磨もグチグチしつけぇ。
「あれ?今日のフルーツケーキ、メロン入ってないんだね~」
梨央は嫌味じゃなく素で言ってるとこがタチわりぃ。
メロンは高級品なの!
内輪で食うだけなんだから、そこは節約です!
「何かガトーショコラ、ちょっとパサついてませんか?黒尾さん、これ今日作ったんじゃありませんね?しかも全体的にカットの仕方も雑な気が。まあ売り物とは違いますしね。俺たちが食うだけなんで問題ありませんけど」
赤葦が一番細けぇしネチッこい!