第3章 天然おだて上手
「何だよお前ら寄ってたかって!ケチッたり雑な分は真心でカバーだ!」
「やっぱりケチッてたんだ…」
「真心とか気持ち悪いんですケド」
研磨とツッキーの冷めた視線が俺に向いたところで、店の扉から賑やかしく人影が飛び込んでくる。
「わりぃ!言い出しっぺが遅れて!何かすっげー道混んでてさぁ!って……。
うおおぉーっ!!コレ全部黒尾が作ったの!?一人で!?マジすげぇっ!ウマそう!!
ほんっとお前天才だなぁ!こんだけ作るの大変だっただろ?ありがとな!」
「…………」
「ど…っ、どうしたの!?てっちゃん!?」
「木兎さん、泣かせてどうするんですか」
「ええっ!?俺何か悪いこと言った!?」
「クロが泣くとこ初めて見た…」
「やっぱり気持ち悪いんですケド」
「なっ…、泣いてねぇし!ちょっと目に蚊が入っただけだし!」
単純バカとか思っててゴメン……。
木兎…お前との友情は、一生モンだぜ……!
【 end 】