第4章 懐かしい
翔「…ただいまぁ…」
自分ちなのに
静かに玄関を開け 声をかけながら靴を脱ぐ
リビングのドアをそっと開けると
ソファに丸くなって 眠ってる智くん
猫みたい
可愛いなぁ
ニュースでカチカチになってた頭が解れてく
翔「…ん?」
ソファ横のローテーブルに
数冊のアルバム
手にとって捲ってみると 嵐になる前からの写真
懐かしいなぁ
まだホントに子供じゃん
翔「あ この写真」
コンサートとかでもよく使われる
車の中で 俺が智くんの肩を抱いてる写真
智くんは俺の脇の辺りに顔を埋めて
まだ付き合ってない
でも お互いに大切でしかたなくて
いつも寄り添ってた頃
先の不安も 希望や目標も
2人でいつも抱いて
ホントに四六時中くっついてた
ファンの人たちに夫婦と呼ばれたくらいだもんな
でも
こうやって写真を見ると
智くんが俺を頼ってたみたいに見えるけど
まったく逆で
いつだって 智くんにべったりで
頼ってばっかりだったのは 俺のほう
あなたに憧れて
あなたについていきたくて
必死で
あなたは きっと
そんな俺をわかってて
一緒にいてくれたんだと思う
まだ幼かった 懐かしいあの頃