第6章  Departure

〈真愛side〉

ついに今日は出発の日。
港にはたくさんの人が集まってくれている。

出航まであと15分。

「そろそろ船に乗った方がいいんじゃない？」

アリシアがそっと言った。

「そうだね」

そう言って船の方に歩いた。

「真愛…」

ピスがつぶやいた。

振り返ると、泣きそうな顔をしていた。
隣のヤムも。

一生会えないわけじゃないんだから…。

「またすぐ帰ってくるから！」

ピスとヤムだけじゃなくて、その場にいる全員に聞こえるように言った。

「…わかってるって！」

ピスが涙をこらえて笑顔で言った。

「いってらっしゃい！」

アリシアがそう言うと。

『いってらっしゃい！』

皆が言ってくれた。


「行ってきます！！」