【マギ】 A Trip to MAGI World
第6章 Departure
〈真愛side〉
数日後。
「真愛さん。」
サヘルさんだ。ドラコーンさんも。
「紅茶でも飲みながら、ゆっくりお話しませんか?」
「はい、喜んで。」
二人は時々こうして、お茶に私を誘ってくれる。
魅力のことも知っているし、落ち着いている二人だから、何も気にせずリラックスできる。
紅茶はおいしくって、場所も素敵。
大人だなぁって思う。
今、私が敬語を使っている人は、ヒナホホさんとこの二人だけ。
「なんだかあなたを見ていると癒されるわ。」
「私もここでお二人と話していると、とても落ち着きます」
「そうか。」
こうしてると私まで大人な気分になる。
「真愛さんも、旅に出るのですね」
「はい。」
「昔を思い出すな…。私はパルテビアの軍人であることにこだわっていた。しかしシンドバッドに出会って、変わったのだ」
「そうね…。真愛さんの決断は正しいわ。この世界は広いのですから、多くの国で多くの人と出会いなさい。きっと、あなたを大きく成長させてくれますよ」
「はい。」
やっぱり、この二人はすごい。尊敬する。
私の不安を和らげてくれる。
心を落ち着かせてくれる。
いつか、こんな大人になりたいな。
「あら、かわいらしい。小鳥たちよ」
―ねえ、いい香りだよ―
―何だろう。行ってみたいな―
―ダメだよ、あの人たちがいるもの―
―あの緑の大きいのも、人かな―
「ふふっ、かわいいですね。」
―あれっ、この人、僕たちと話せるみたいだ―
―本当だ―
「あなたたちも、紅茶が飲みたいの?」
―うーん、いらないや―
「ふふっ」
「私もこの子たちと話がしてみたいわ」
「そうだな」
二人は私が動物と話せることも知ってる。
「その様子だと、旅先でもあまり困ることはなさそうですね」
「そうですか?」
「あぁ、動物はいつもいるから、一人で寂しくはならないだろう。」
たしかに…
「何があっても、あなたは一人ではないのですよ、真愛さん。いつでも誰かを頼りなさい。」
「…はい!」