【マギ】 A Trip to MAGI World
第5章 Adventure
〈真愛side〉
「いやー、ここまで追い込まれたのは久しぶりだな。甘く見ていたよ、真愛」
なーんかイラつくんだよなぁ。
「それはどうも。あ、シン様、背中の傷治すよ。『音姫癒曲(アムドゥル・シファーァ)』」
傷が癒えていく。
「真愛のジンは音属性なのでは?様々な技を繰り出していましたが…」
「アムはね、音楽、歌や踊りが大好きなの。私が使える技だけでも、「戦歌」「剣舞」「惑唱」「鳴声」「癒曲」、あとは「子守唄」「行進曲」があるよ」
「何でもありだな…」
スパルトスさんって突っ込むんだ?
いや、真剣に考えてるだけかな…?
「音って怖いよね。シンドバッドのゼパルもだし」
ユナンが言った。
「ねぇ真愛,さっきの『私の生は縛らせない』って、どういう意味なの?」
アリシアの一言で、皆の空気が少し重くなった。
そっか、アリシアは知らないんだね。
「ゼパルの能力にはかからない!って意味だよ」
アリシアは納得いかなそうだったけど、それ以上聞いてこなかった。
「そっか、真愛は能力を知ってるんだ?」
「そうだよ、言ったでしょ?語られてたって。シン様だけじゃない、レームや煌の攻略者たち、マグノシュタットとかも。皆の能力も、弱点も知ってるよ」
ちょっと盛ったかな。
弱点わかんない人もいる気がする。
「ま、教えないけどね」
「真愛、この二か月でずいぶん生意気になったな…」
シャル兄が半笑いで言った。
「でも、考えてみたら真愛、最強よね・・・」
…ヤム?
「あんなに技使って息も切れてないですし…」
…ジャーさん?
「もう一回極大魔法撃とうとしてたよね!」
…ピスまで?
「魔力量はシンドバッドと変わらないよ」
…冗談でしょユナン?
『真愛最強…』
皆そろって!全く…
「そんなことないって!最初から魔力操作されてたら負けてたし。」
「あと6個以上迷宮を攻略してヤンバラで修行したら最強っスね。」
「それはまぁ。けど、ヤンバラはともかく、ジンはアムだけで十分だよ」