【マギ】 A Trip to MAGI World
第5章 Adventure
〈ジャーファルside〉
「真愛達、大丈夫でしょうか?」
「心配っスね」
「大丈夫だろう、多分…」
迷宮に、若い少女二人だけで挑んだのだ。
無事である証拠なんて、どこにもない。
みんなが無言になった、その時。
「きゃっ!」
「おわあ!?」
王の上に、白髪の少女が降ってきた。
「ここ…どこ…?」
王の膝の上に乗ったまま、状況を理解しようとしているらしい。
「王の上です」
「お、王の…?えっきゃあ!すっ、すみません!!え!?」
ずいぶん慌てて、アリシアが飛び降りた。
迷宮から帰るとき、空から降ってくるんでしょうか?
「いや、いいが。迷宮を攻略したのか?」
「あっ、はい!金属器は真愛が。」
真愛も王の器の一人ということか。
「そうか。ところで、真愛はどこにいるのだろうか?」
「攻略者なので、迷宮があったところにいるのでは?」
そうか。なら安心…?
「シン。迷宮は無人島にありましたよね。」
「ああ。」
「私たちは一隻の船で行きました。」
「そうだな」
「そして船でこの国に帰ってきました。」
「あぁ…?」
「どういうことかわかりますか?」
無人島で、船が一隻もない。
『真愛が、帰れない…?』
その通り。
「いや何言ってんだジャーファル、魔装でピューッと飛んで帰ってくるだろ!」
「でも、全身魔装じゃないと飛べません。真愛が一人ですぐにできるとは思えません…」
その通り、アリシア。
「いっ、急いで島に向かうぞ!!」
「ダメです。アンタはここにいてください。国王なんですから!」
「俺が行くっス」
「私も行かせてください!」
私は仕事もあるし、それがいいだろう。
「任せましたよ」
「はい!」
「了解っス」
しかし、その後…
「島中しっかり探し回ったんですが…」
「真愛はいなかったっス」
「そうか…」
「あったのは、この財宝だけでした。」
「かすかに真愛の匂いが残っていて、そこにいたことは間違いないっス」
真愛…いったいどこに?