【マギ】 A Trip to MAGI World
第5章 Adventure
〈真愛side〉
歌が、聞こえる。
いろいろな音が合わさって、頭の中に流れてくる。
その中に、一つ違うものが入っている。
その音に集中して、聞く。
『・・・は、・・・だ?
・・・王になるのは、誰だ?』
王…?
王!!迷宮!!
「あ、起きた?」
アリシア、先に来てたんだね。
「ここ、迷宮?」
「そうみたいね。」
ここが迷宮かぁ。
「王様たちは来ないのかしら?」
「…うん。国に帰ったと思う。二人で攻略しよう!」
「そうね。」
ここは…特に何もない。
部屋…なのかな?
あ、でも。
どこかにつながっていそうな穴が一つだけ。
「…どうするの?あれに、入る?」
他に何もないし…
「行くしかないでしょ!」
中に入ってみる。
その途端、照明が消えたかのように真っ暗になった。
「うわっ。急に真っ暗になったね。」
返事がない。
「アリシア!?」
噓でしょ、今、私、ひとり!?
怖い!苦手なんだよ~。
「きゃっ!」
今度は急に明るくなった。
何?ここはどこ?
いろんな宝石が壁にはめ込まれている。
綺麗だなぁ。
一つに触れてみた。
コロンと音を立てて、その宝石が床に落ちた。
「…えっ?」
周りの宝石も、コロコロンと落ちて。
壁の宝石が全部床に落ちた。
えぇー。軽く指先で触れただけなのに…
「ヨクモ、僕ノ大切ナ宝石ヲ…」
…えっ?
「オマエ、許サナイ。殺シテヤルゥゥ―!」
「え、えぇー!?」
ち、ちょっと!
何このペガサス!
めっちゃ怒ってるし!!
「待って!私は宝石を盗もうとしたんじゃなくて…」
「グゥアァァァ!」
通じないの!?
「うわぁ!」
鋭い爪が頬をかすった。
「殺ス…」
「殺シテヤル…」
な、なんか増えてる!
「グアァァ!」
いっせいに爪が襲ってきた。
剣を抜いて、すべて防いだ。
「…戦うしかないみたいね!」