【マギ】 A Trip to MAGI World
第4章 Happy beginnings
〈真愛side〉
パチッと目が開く。
さっきまで、聖宮の夢を見ていた。
もう一つの能力って何だろうな?
「あ、真愛起きた?おはよう」
「ん、おはよう、アリシア。早いね。私が遅いのかな」
「ううん。今6時くらい」
「アリシアいつ起きたの…?」
「5時くらい。侍女は早起きに慣れてるの」
そっか。アリシアって侍女なんだった。
「侍女って大変?」
「んー、それなりに、じゃない?」
ここで侍女として働くのもアリだな。
「あ、それよりね、これ!」
そう言ってアリシアは私に服をくれた。
「官服がまだないから、今日はとりあえずそれ着て。私のだけどほぼ着てないし、サイズはピッタリぐらいだろうし」
「ありがとう!」
服を広げると、薄い生地の青いワンピースだった。
左の胸元には白い花がついていた。
「わぁ、かわいい…」
「でしょ?その花、ジャスミンなんだって。」
アラビアンな世界でジャスミンかぁ。いいね。
とりあえず着てみた。
「わ!すごく似合う!かわいい!」
「ほんと?サイズはピッタリみたい。」
「よかった。」
「今から私、何すればいいの?」
「8時から朝食だから、それまでは何もないよ」
「朝食みんなで食べるの?」
「そうだよ。」
「おなか減りそうだなぁ。それに暇だなぁ」
「ねぇ、髪いじってもいい?」
「い、いじるって?」
「やってみたい結び方があるの。」
「あ、全然いいよ。むしろ助かる」
髪下ろしてると、邪魔なんだよね。
「やったぁ!ここに座って」
「うん」
「よーし、やるよ~!」
「張り切ってるね…」
ここまで張り切られると、ちょっと不安に…。
でも、髪のとき方が美容師さんレベル。
期待していいかな?
「うーん…ちょっとカットしてもいい?」
「いいけど、あんまり短くしないでね」
「大丈夫。」
「んー、どうもねぇ。ちょっと巻いていい?」
「…どうぞ。」
もうすぐ7時。
「よし!いいかんじ!こっちに来て」
「はーい」
「じゃーん!どう?」
「わぁ!」
ツインテール。
眼よりも高い位置に結んである。
ふわっふわ。
横髪も作ってくれたみたい。
ゴムを隠すように結び目に髪が巻いてあるのがおしゃれ。
「すっごーい!!」
「侍女だもの、このくらいできて当然よ」
どや顔のアリシア。
キラーンって聞こえてきそうで、笑った。
