【マギ】 A Trip to MAGI World
第3章 I Charm Is Non-Discrimination
〈アリシアside〉
ふわっ。
一瞬、何が起こったかわからなかった。
「きつかったよね。苦しかったよね。辛かったよね。」
真愛に、抱きしめられているんだ。
さっき止まった涙が、またあふれ出す。
「ありがとう、真愛」
「…。寝よっか」
そういって真愛は、そっと手を離した。
ベッドに横になって、隣を軽くたたく。
おいで、という意味だろう。
「たくさん話したねぇ。私、一人で寝るの何だか怖くって」
「そうなの?だから私呼ばれたんだ。なるほど」
「ほんとに助かるよ」
「おかげで私はこのベッドで眠れるんだけど。」
もう、涙は止まった。だから、言おう。
「あのね。私の過去、実は誰にも言ってないの。」
「シンドバッド王にも?」
「うん。真愛が初めて。ほんとはずっと誰かに聞いてほしかったんだ。」
「そっか。」
「なんだか真愛になら何でも話せる気がする。」
「ふふ。嬉しいねぇ」
「マノンちゃんも、お母さんも、きっと元気に暮らしてるよ。いつか、機会があったら、バルバッドに行ってみたら?」
「…そう、だね」
たしかに、行ってみないとな。
今まで怖がってたけど、逃げてばっかじゃだめだよね。
「じゃあ、おやすみ。アリシア」
「おやすみ、真愛」