第1章 rain of lust
「ナッシュ・・・あ・・、ぁ・・」
「首も・・・あぁ・・細いなおまえ・・・本当に。・・・このまま絞め殺せそうだ」
「・・いっそ・・・そうして欲し、・・・!!んん・・ッふ・・」
「ン・・・いいぜ。送ってやるよ・・、地獄に」
「!!・・・・待・・っ、いや・・・ッ――」
ここで使うボディソープの香りは、どうしてもベッドでの情事を思い出させる。
ナッシュ自身に纏わりついていた香りそのものでもあったし、彼が付けるコロンとうまい具合に絡み混ざって、名無しを底辺へと突き落とす。
自分の身体にそれをなすり付けられ、汚れを洗われているなんて屈辱だ。
下半身がひくつき始めていることもまた腹立たしいことに事実であり、名無しは眉を顰め悔しがった。
泡が首筋を覆い、大きな手はすぐに下へも進む。
石鹸の潤滑の所為で、閉じた足の間にも難なく滑り込まされる。
耳元ではまるでわざと、鼓膜が響くよう囁いているかのように、ナッシュは低い声を出しながら名無しを畳み掛けた。
劣悪な言葉を並べられても身体は素直過ぎるのだ・・・だからこそ本音と裏腹な返事を精一杯込める。
シャワーヘッド目がけ手を伸ばしたナッシュは、やがて纏わりついた泡を流す為、それを自分たちによりあたるように向きを変えた。
泡が流れても、名無しの陰部が既にぬたついていたことを彼は知っている。
ナッシュは彼女の頬を掴みキスを迫ると、口付けたままとどめの言葉を囁き、足をひっかけ腰を掴んだ。
名無しが苦し紛れ、爪を立てながら壁に手をやったのは、昂った彼そのものが容赦なく陰部へと侵入してきたからだった。
「ッ・・ぁ、・・・あ・・」
「ん・・オレはおまえの身体を洗っただけだぜ・・それが・・・、こんな・・・」
「・・っ・・・ちがう・・・、・・だって、・・・ス・・」
「あん?・・・キスだけで興奮したって?」
「ひ・・・!いや・・ナッシュ・・・それ・・、おく・・」
「ああ・・好いんだろうな・・こんなヒクヒクさせやがって・・・ん・・」
粗方の泡が流れ落ちてからは、すぐにまたヘッドの向きは変えられていた。
跳ねた湯飛沫だけがその後も身体を濡らし、それがまた心地よく感じさせる。
シャワー音に混ざる名無しの喘ぎは実によく響き、ナッシュの耳にもしっかりと届いていた。