第1章 別れ
ユーリは走り、ユアを探していた。
「ユアッ!!ユア…どこ!?」
だが、ユーリは大切なことを忘れていた。巨人に喰われてしまった母の最後の願いを叶えようとして。
その時、
「おい!!見つけたぞ!!」
草むらの中から一人の男が叫んだ。
「あっ…!!」
男に見覚えがあった。いや、無い方がおかしい。何故なら、父の首をはね飛ばしたのはこの男だったのだから。
「まじか!?」
「あっ、逃げたぞ!!捕まえろ!!」
ユーリは走り出した。が、先回りしていた男に捕まった。
「う゛、…ひぃッ…!!」
そして、後ろからきた男に顔に布を押し付けられる。
「んんッ…!!」
だんだんと意識が遠くなる。そんな中、男たちの会話が聞こえた。
「おい、こいつの母親は?」
「どっかに逃げたんだろ。」
「まぁ、こいつだけでも結構な額になんだろ…」