第16章 嫌がらせ
「水瀬…ちょっと来い。」
「え…でもっ…昼休み…終わり…なので…」
「今はそんなこと言ってる場合じゃねえだろ!」
「ッ!」
同級生たちが去ると笠松先輩はバットを捨てた。
ちょうど昼休みの終わる予鈴がなり、私はこの話をして迷惑かけたくなくて昼休みが終わったことを告げようとすると初めて笠松先輩に怒鳴られ、私の手を引いてバスケ部の部室へと向かっていった。
いつもの声色とは違い怒っている様子で…
本当の話なんて……
話すことなんか…できない……
「水瀬、全て話せ。もう何もないはずないだろ?…水瀬が3F資料室から出てきた時…から違和感は感じていた、あの頃から毎日あんなことされていたんじゃないのか?」
「…………私は…大丈夫です…気にしないでくださ…」
「大丈夫じゃねえだろ!危うく怪我どころか…最悪死んでるかもしれなかっただろ!」
「……ごめんなさい…」
部室に来ると笠松先輩は部室のソファに座り横に私も座った。
笠松先輩はやっぱり勘がするどく私がいつから嫌がらせを受けていたか把握していた。
私は話してもどうにもならない事だと思い、何よりこの問題が大きくなって練習時間とかにまで影響出るのが嫌で頑なに話すのを拒むと笠松先輩は真剣な表情ですごく私を心配してくれた。
こんなに心配をかけてしまって私は申し訳なく謝ることしかできなかった。