第16章 嫌がらせ
ーー笠松視点ーー
水瀬たちが歩いていく方向へ向かうと第3体育館の奥まで行くと乾いた音が響いた。
「鬱陶しいんだよ!いい加減、いつも涼しい顔していい子ぶんなよ!」
「あんたさぁ、毎日毎日こんだけ痛ぶってそろそろ1週間もたつのに平気な顔してんだもん。そろそろバスケ部は辞める気になってくれた?」
「あんたが土下座して謝って2度と涼太に近づかないっていうならやめてあげるけど?」
なんだ……これ………
……そういうことかよ……
俺は建物の死角から話を聞いていて、
一方的に黄瀬のファンの女が女とは思えない言葉遣いと怒鳴り声が響いた。
俺は、拳を握りしめて怒りがワナワナと沸き立ち水瀬がなぜ元気がないのか理解できたのと同時に自分が今までなぜ気づけなかったのか。イラついていた。
これ以上は黙っていることができず介入しようとした瞬間、
黄瀬のファンが水瀬に金属バットを振り上げていた。
頭よりも先に体が動き水瀬の前に立ちはだかり金属バットを手で受け止めた。
ーー笠松視点終了ーー
「なんのマネだ…これは……お前ら……こんなものまで出して怪我どこじゃ済まねえぞ!?」
「っ…!いこ!」
笠松先輩がなぜいるかわからず私も3人の同級生も驚いていて、笠松先輩が怒鳴るように言うと同級生たちは焦ったようにその場から走って逃げていった。